【使い方】


 Moyuku独自の機能などを説明します。(SS)C-BOARDと共通している部分も多いので、そちらのマニュアルなども参考にしてください。


■動作環境

 Perl 5.8.1以降。
 Apache、IIS(一部コードの変更が必要)。

※注意
 Moyukuでは、ページに広告が自動挿入されるサーバー環境やヘッダーに制限のかかるサーバー環境での利用は想定していません。そのため、予期しないエラーが発生したり、意図しない動作をしたりすることがあります。
 そのようなサーバで、記事投稿時にエラーが出る、管理ページにログインできないなどの現象が発生する場合は、app/commander.plの45行目付近の[liar]設定行をコメントアウトから復帰させて有効にすると、状況が改善する場合があります。


■設置の前に

 ウェブサイトにCGIを設置するためには、ファイルのパーミッション設定などに関する最低限の知識が必要です。
 CGIの設置経験のない方は、C-BOARDよりも小規模な掲示板などで、設置の練習をしておくことをおすすめします。
 C-BORADの設置は、一般的なサーバー環境であればそれほど難しくはありませんが、ファイル数が多いので、他の掲示板などに比べると少し時間がかかるかもしれません。


■設置手順

【1】サーバの環境を確認する
 CGIをはじめて設置する場合は、プロバイダのサポートページなどで、CGI設置に関する注意事項をまず確認してください。
 主に、「設置可能場所」「Perlのパスとバージョン」「CGI設置時のパーミッション」などの情報が必要です。
 それらが確認できない場合には、C-BOARDの設置はできません。
 サーバによっては、CGIディレクトリのパーミッションで707が禁止されていたり、CGI実行ファイル(例:c-board.cgi)の推奨パーミッションが700だったりということがありますので、注意してください。
 なお、CGIがsuExec環境で作動するサーバー環境で、ディレクトリのパーミッション設定において707が禁止されている場合は、一部の機能が正常に稼働しない場合があります。


【2】Perlのパスを設定する
 c-board.cgiの一行目のPerlのパスをサーバー環境にあわせて書きかえます。
 行頭にある、シャープとエクスクラメーションマークは、Linux系サーバーでは基本的に必須ですので、消さないようにしてください。


【3】ファイルをアップロードする
 まず、このドキュメントと、skinディレクトリ(フォルダ)内の使用する予定のないdefaultとplatforms以外のスキンセットをアップロードするファイル群から削除します。
 さらに、携帯電話から投稿された絵文字を画像に変換しない場合は、絵文字用の画像を格納しているpublicディレクトリ以下の ss_emj、加えて絵文字パッドも使わなければ cmn_emj を削除できます。
 ウェブサイトの掲示板を設置するディレクトリへ、ファイル一式をアップロードします。その際は、*.cgi、*.plファイルについてはアスキー転送を推奨します。
 以下の例を参考に、パーミッションを設定します。サーバ側の制限などに注意してください。

※パーミッション設定に注意するべきファイルなどだけ表記しています。

 c-board/
        + c-board.cgi  [705 or 755]
        + app/
        + brd/  [707 or 757]
        |    + myk/  [707 or 757]
        |         + config.cgi  [606 or 600 or 666]
        |         + data/       [707 or 757]
        |         |     + c-board.css  [606 or 666]
        |         |     + *_lock       [606 or 666] ※7つすべて
        |         |
        |         + image/      [707 or 757]
        |         + upload/     [707 or 757]
        |         + cache/      [707 or 757]
        |         + past/       [707 or 757]
        |
        + skin/
        + public/
        + tmp/        [707 or 757]


【4】c-board.cgiにアクセスする
 ブラウザで、c-board.cgiを表示します。
 ここでエラーが出た場合は、c-board.cgiのPerlのパスかパーミッション設定が間違っている可能性がありますので、再確認してください。
 この時、一部の画像が表示されていませんが、この段階では掲示板のトップページが表示されてさえいれば問題ありません。


【5】セットアップを実行する
 表示したc-board.cgiの画面で、メニューバーの「設定」をクリックし、次の設定画面で右下の「管理人用」をクリックすると、ログイン画面が表示されます。
 ログイン画面で、「セットアップ」をチェックし、パスワードに「pass」と入力して、送信ボタンを押すと、セットアップ画面が表示されます。
 セットアップ画面では、「スパム対策の個体識別キー」と「パスワード」の2つをまずは変更してください。掲示板運用時のセキュリティーに関わる部分です。
 設定ボタンを押すと、変更した設定が反映されます。
 ここでエラーが出る場合は、mykディレクトリ以下のパーミッションなどが間違っている可能性が高いです。
 なお、リファラー(HTTP_REFERER)が送信されないブラウザなどを使用している場合は、「掲示板のURL」も書き換える必要があります。


【6】スタイルのセットアップを実行する
 上記のログイン画面で、「セットアップ(スタイル)」をチェックし、手順5で設定した新パスワードを入力して送信し、スタイルのセットアップ画面へ移動します。
 とりあえず、なにも変更せずに最下部の設定ボタンを押します。
 スタイルの設定変更が実行されると、その設定に合わせたスタイルシートへの書き換えと、画像の生成が行われます。
 ブラウザのリロード(再表示)を行って、画像が正常に表示されるかどうか確認してください。
 ここでエラーが出る場合は、brd/mykディレクトリ以下のパーミッションなどが間違っている可能性が高いです。


【7】テスト書き込みを行う
 最初の試験投稿を行います。
 書き込みができたら、設置は終了です。ただし、ファイルのアップロードを許可する場合や過去ログを作成する場合には、別途の作動確認が必要になります。


【8】細かな設定をする
 あとはゆっくりと、細かな設定の変更を行います。
 設定項目はたくさんあるので、気長にやってください。
 


■ID別のサブ掲示板の利用に関して

 Moyukuでは、任意のIDをつけた複数の掲示板を平行利用することができます。なお、初期設定で使用される掲示板は「default(myk)」のIDを持っていますので、それ以外のIDを使用してください。
 利用は管理者用のログイン画面から、掲示板管理の画面へ入ります。「作成」「MENU(管理)」[削除]などの操作が可能です。
 各掲示板のアクセスには、ID(例:newid)をつけた以下のようなURLでアクセスします。
  http://www.mydomain.com/c-board.cgi?id=newid


■バージョンアップ、データの移行に関して

 Moyukuは、「(SS)C-BOARD v3.8」ならびに「とほほ改v2.1」と記事データなどの互換性を保っています。
 v0.96までなら、(SS)C-BOARDのv3.15以降からのバージョンアップと同じ手順で、システムの入れ替えが可能なはずですが、正当な後継というわけでもありませんので、積極的にはサポートはしない方針です。
 Moyukuのv0.97以降からはディレクトリ構造が変更されましたので、単純な上書きなどではバージョンアップができません。

 (SS)C-BOARDから、単純な上書きバージョンアップが可能なのは、Legacyシリーズです。config.cgiとdataフォルダ以外を上書きします。
 基本的に(SS)C-BOARDとは別種のMoyuku対して、Legacyは(SS)C-BOARDシリーズの一種の後継版になります。

 作業手順としては、とりあえずMoyukuを新しく設置して、そこにデータをコピーしてパーミッションを合わせて、稼働テストをしてみるようなやり方が、安全なやり方だと思います。
 いきなり上書きするにしても、かならずデータをバックアップし、パーミッションなどをメモしておいてください。
 ちなみに、スタイル(スキン)については(SS)C-BOARDとMoyukuでは互換性が一切ありません。

 なお、WidowsサーバーやJperl環境、またページ上部に強制的に広告が埋め込まれるタイプのレンタルサーバーについては、バージョンアップを一切保証できません。



■v0.97以降のバージョンアップについて

 基本的には、掲示板データの格納されている brdディレクトリ以外を更新します。バージョンが近い場合は、app、skinの2つのディレクトリだけを更新すればいい場合がほとんどです。
 なお、app/commandar.plやスキンファイルに変更を加えている場合は、更新後に変更部分を再度変更するなどの作業が必要ですので、注意してください。
 

■(SS)C-BOARDやMoyukuのv0.96以前から、Moyukuのv0.97以降への、データ移行について。

 Moyukuのv0.97a以降は、ディレクトリ構成が大幅に変更されているため、掲示板の記事情報などの格納場所がそれまでのC-BOARDとは異なります。
 特に、メイン(親)掲示板の場所は完全に移動していますので、データ移行には作業が必要です。
 データの本体に変更はありませんので、内容を完全にコピーしてパーミッションを元の稼動状態と合わせれば、データ移行ができます。
 /cache       →  /brd/myk/cache
 /data        →  /brd/myk/data
 /file        →  /brd/myk/upload
 /image       →  /brd/myk/image
 /log         →  /brd/myk/past
 /config.cgi  →  /brd/myk/config.cgi
 すべてのデータを移動した後に、再セットアップの実行が必要になります。基本的にはセットアップページにいき、何も変更せずに設定ボタンを押せばOKです(パス関連の情報が書き換わります)。

 子掲示板も同様に、以下のようになっています。
 例えば、子掲示板のIDが child の場合は、以下のようになります。
 data/child/cache       →  /brd/child/cache
 data/child/data        →  /brd/child/data
 data/child/file        →  /brd/child/upload
 data/child/image       →  /brd/child/image
 data/child/log         →  /brd/child/past
 data/child/config.cgi  →  /brd/child/config.cgi
 上記の構造をみるとなんとなく察されるように、もともとのディレクトリ構造が「親掲示板と子掲示板」という親子の関係だったものを、「メイン掲示板とそれ以外の掲示板」という並列の関係に作り変えたものです。
 これにより、バックアップ時の利便性など、データ管理の性能が向上しています。


■便利な機能

 Moyukuには、以下のような独自の機能(性能)があります。
・投稿時間制限
 投稿の入力画面を表示してから、実際に投稿するまでにかかった時間をチェックします。暗号化を組み合わせていますので、スパムロボットによる自動投稿に対して、大きな防止効果があります。すべての記事投稿と匿メール送信に、標準機能として実装されています。


・スパム投稿対策フィルター
 スパム記事の投稿を、投稿される記事の内容などから判別して、投稿を拒否したり制限するフィルターが標準装備されています。
 ありがちなパターンのスパム記事は、よせつけません。


・画像認証
 投稿認証用パスワードを画像で表示します。簡易なCAPTCHAシステムです。かなり強力なスパム投稿対策となります。
 有効にすると、すべての記事投稿と匿メール送信に画像認証が必要になります。


・投稿用フリーキーワード
 投稿時の合言葉として、任意の設問と任意の解答を設定できます。特定の人のみに解答のキーワードを教えたり、掲示板以外のウェブページに答えとなるキーワードを掲載するなど、柔軟な使い方が可能です。


・絵文字入力パッド
 記事本文へのMoyuku専用絵文字コードの入力を支援する、子画面が表示可能になりました。コードは表示時に自動的に絵文字に変換されて表示されます。



■その他の機能・相違点

 Moyuku独自の特徴(機能と言うほどでもなく)には、以下のようなものがあります。

・本体c-board.cgiの改名が可能
 スパムが、c-board.cgiというURLを狙い撃ちにしている感があったので、変更可能にしました。手順としては、まずc-board.cgiで動かしておいて、c-board.cgiをコピーして変更先のファイルを作り、c-board.cgiを使ってセットアップの「掲示板のURL」を変更します。
 あとはc-board.cgiを削除するなり名前を変えるなりして完了です。


・プラットフォームの指定が可能
 PC(通常)、PDA(小型情報端末)、携帯電話の3種のプラットフォームに対応する表示パターンから、1つを強制的に選択可能です。
 例えば、「c-board.cgi?plfm=pda」というようなURLでアクセスすると、PDA用の表示になります。3種それぞれを「 full ・ pda ・ mbl 」で指定する形になります。

・PDAと携帯電話での表示能力の向上
 PDA(フルブラウザ)と携帯電話での表示時の、使いやすさが向上しています。
 特にフルブラウジングが可能な携帯端末については、今後も重視していく予定です。


・携帯電話の絵文字入力への対応能力の向上
 (SS)C-BOARDの既存機能に加え、au携帯電話からの絵文字入力への対応を強化しています。ただし画像変換は、現状ではDocomoの基本絵文字と拡張絵文字など限定です。
 SoftBankは機種によって絵文字入力に関する仕様が異なるため、機種ごとに動作が異なります。機種によっては絵文字の情報が自動的にカットされるものもあります。
 なおDocomoとau、Softbankの一部機種については、絵文字表示機能に使用する画像にSix Apart Ltd(http://typepad.jp/)配布の画像に、独自画像を加えています。


 ここからは、なくなった機能や消えた特徴です。


・ワンタイム投稿キー
 とほほバージョンの機能です。一部不具合などがあり、新画像認証機能と完全入れ替えとなりました。


・Jperlへの対応設定が削除された
 必要がないものと判断しました。今後のサポートはありません。


・CMT出力機能が削除された
 RSSが主流となり、必要ないものと判断しました。おそらく今後は、Atomを重視する方向へ行く予定です。


・Hdml表示への対応が削除された
 方式自体が廃れたものと判断しました。今後は、XHTML Basicへの対応を視野に入れます。


・URLの短縮表示機能が削除された
 もともとの意図はよくわかるのですが、設計が甘く、不具合もありました。別途、本来の意図に沿って、スタイルシートでの対応は入れています。


・キーワード記録機能が削除された
 もともと実験的に装備されていた機能ですし、必要性も低いので削除しました。
 ちゃんとやろうとすると技術的な難度が高くなることもあり、今後サポートする予定はありません。


・投稿者宛メール送信機能が削除された
 機能を凍結しています。
 使用される頻度が低いと思われることと、にもかかわらずスパム記事投稿を引き金としてスパムメールの発射台とされる危険性が高いことを天秤にかけて、使えなくしています。
 基本的に、このまま完全に削除される予定です。